審美は、外見や美しさを指す言葉として用いられます。
私たちの生活の中で、審美は自身の印象や自信に直結する要素として非常に大きな役割を果たしています。特に、人とのコミュニケーションの中で多くの時間を占める「話す」や「笑う」際に口元から覗く歯は、その人の第一印象を大きく左右します。
歯は、食事を摂取するために噛むなどの役割を持っていますが、それと同時に、美しい歯は人の魅力を引き立てる要素となります。反対に、歯の不調や見た目の問題から自分の笑顔に自信を持てない方も少なくありません。そこで、審美性を重視した歯科治療、すなわち審美歯科が注目されるようになりました。
審美歯科は、歯の健康や機能性を維持・回復するだけでなく、歯の形や色、配置を整えることで、全体のバランスや美しさを追求する治療方法を提供します。これにより、患者さんがより自信を持った笑顔で日常生活を送れるようサポートすることが可能となります。

銀歯、もしくは金属製の詰め物や被せ物に対する懸念や違和感を感じる方は少なくありません。特に、笑った時や会話中に見える銀歯は、見た目に自信を失ってしまう原因となることがあります。そんな方々の救世主として、近年急速に注目を浴びているのがセラミックという素材です。
セラミックは、自然な歯の色に近い白さを持つため、審美性に極めて優れています。
この素材は、歯の美しさだけでなく、その品質や機能性にも優れています。科学的にも非常に安定した素材であるため、長期間の使用でも色の変化や劣化が少ないのが特徴です。さらに、その滑らかな表面は歯垢や歯石の付着を抑制し、結果として虫歯のリスクも低減します。
近年、健康や環境への配慮が高まる中で、金属アレルギーの心配が少ないセラミックは、身体に優しい素材としても注目されています。これらの特性を考慮すれば、銀歯からの交換を考える際の最適な選択肢と言えるでしょう。

近年、歯科治療においてジルコニアセラミックが多く用いられるようになりました。ジルコニアセラミックは、天然の歯に極めて近い美しい白さを維持するため、審美的な治療に非常に適しています。さらに、この素材は、ただのセラミックとは一線を画す耐久性と強度を持ち合わせています。

歯科治療の中心は、もちろんのこと、健康な口腔を取り戻すことです。しかし、現代の治療はそれだけではありません。審美性と強度を兼ね備えた素材のニーズが高まっています。ジルコニアセラミックは、その要求に応える最適な選択となります。天然の歯のような美しさを持ちながら、同時に長期間の使用にも耐える頑丈さを持っています。

当院での審美治療でのもう一つのメリットとして、治療の範囲やサイズに応じて、健康保険の適用が受けられることもあります。これにより、高品質な治療をより手頃な価格で受けられる場合もあります。

ジルコニアセラミックは、歯科材料としての高い評価を受けています。その特徴として、非常に硬く、耐久性があります。セラミックには多くの種類が存在しますが、ジルコニアはその中でもトップクラスの機能性を持ちます。その上、天然の歯のような繊細な色調を再現することができるため、審美的な要求も満たすことができます。この双方の特徴から、多くの歯科医師に選ばれています。

e-maxは、高い透明感を持つセラミックとして知られています。ジルコニアとは異なり、さらに天然歯のような色調を詳細に再現することが可能です。しかし、その硬さはジルコニアには及ばないため、大きな負荷がかかる奥歯などには推奨されません。前歯や小臼歯などの審美治療に最適です。 

ハイブリッドセラミックは、セラミックとコンポジットレジンの良い点を組み合わせた新しい素材です。コスト面でのメリットがあり、特に予算を抑えたい患者さんに適しています。ただし、純粋なセラミック材料と比べると、耐久性や審美性においてはいくつかの制約があります。

コンポジットレジンは、健康保険の適応があるため、非常に手頃な価格で治療を受けられる点が魅力です。しかし、この材料は100%樹脂でできているため、長期的な色の安定性や強度には課題があります。使用箇所や目的に応じて選択することが大切です。